ホーム ヌーラバーを知る 【10問10答】プラットフォームエンジニア 青島 / 開発者にとっての“最高の仕事場”をつくる、技術的フロンティアと「成長エンジン」としての役割
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【10問10答】プラットフォームエンジニア 青島 / 開発者にとっての“最高の仕事場”をつくる、技術的フロンティアと「成長エンジン」としての役割

青島 秀治(あおしま しゅうじ) の写真
Reliability Engineering部 プラットフォームエンジニアリングユニット
青島 秀治(あおしま しゅうじ) 2025年5月入社

1.これまでのキャリアについて教えてください

大学では天体物理学の研究をしていました。カオスな物理系の一種である惑星系の進化に特に興味があったんです。研究で数値シミュレーションや解析を行うためにプログラミングや計算機の管理に触れたのが、この世界との最初の出会いです。

また、学生時代から趣味の延長でサーバー管理やWeb制作のアルバイトをしており、次第に研究そのものよりも計算機に惹かれるようになっていきました。その結果、博士課程を中退して東京のITベンチャーに就職しました。

そのベンチャー企業では、入社してすぐに「既存サービスをVMからKubernetesに一人で移行してほしい」というミッションを与えられました。この経験によって、インフラ技術が私のキャリアの中核となりました。また、当時は人数が少なく、一人ひとりが広範囲な業務を担う必要があったため、インフラにとどまらず、バックエンドから、フロントエンド、モバイル、機械学習、時にはITコンサルティングまで、あらゆる役割を経験しました。全てが完璧にものになったわけではありませんが、この頃の色々な挑戦のおかげで、業務の幅は広がったと感じています。

その後は、事業会社に転職し、MLOpsエンジニアとして機械学習基盤の構築と運用に携わりました。ここでは技術的な業務に加え、チームマネジメントやプロジェクトマネジメントも担当し、技術と組織の両面から事業に貢献する経験を積みました。

並行して、副業として個人でシステムの受託開発を請け負ったり、友人とSaaSの会社を作ってみたりと、様々な形で技術に携わってきました。一見すると専門がわかりにくいかもしれませんが、自身をインフラエンジニアだと自認しています。

2.ヌーラボに入社を決めた理由は何ですか?

一番の理由は、プラットフォームエンジニアリングをやってみたいと思ったからです。

前職ではMLチーム専任のSREとして働いていたのですが、各チームやプロダクトで個別最適化が進んだ結果、組織全体のサイロ化や生産性の低下といった課題が生じていました。具体的には、社内に多数のプロダクトチームがあり、それぞれ権限が大きく、技術を統一する必要がありませんでした。そのため、サービス自体は別でも、共通化できるはずの似たようなものを各チームが作っている状態でした。私は、この課題は自分が所属していた会社だけではなく、多くの企業で発生している問題なのではないか、だからこそ組織の全体最適を目指すプラットフォームエンジニアリングは今後より重要になるだろうと考え、挑戦したいと思っていました。

そんな中、ヌーラボがプラットフォームエンジニアリングチームを立ち上げたという話をブログ記事などで知りました。まさに今が立ち上げの時期であり、会社としても全面的に支援していくという体制があることに、挑戦しがいのある絶好の機会だと感じました。

最終的な決め手は「人」です 。面接でお会いした方々が、ヌーラボが直面する技術的課題について、深い知識を持ちながらも非常に楽しそうに話している姿が印象的でした。ヌーラボの面接で話をしていく中で、とてもギークで、業務に直接関係のない周辺知識まで持っている方々が多いと感じ「この人たちとなら、同じ熱量で技術を追求していけそうだ」と確信し、入社を決めました。

3.現在の業務内容について教えてください

所属するプラットフォームエンジニアリングチームは、社内の開発者の生産性や効率を最大化するための基盤、いわゆるInternal Developer Platform / Portalを提供・改善することがミッションです。 今期は特に「オブザーバビリティの強化」「CI/CDパイプラインの標準化」「IDPの継続的な進化」を重点領域としています。

その中で現在私は、CI/CDパイプラインの標準化を担当しており、開発者に対してCI/CDの共通基盤と「ゴールデンパス」を提供しようとしています。このゴールデンパスに従うことで、開発者はCI/CDの専門知識がなくても簡単にパイプラインを開発でき、開発の早い段階でセキュリティを組み込む「セキュリティシフトレフト」を実現することができるようになります。

ゴールデンパスは、主にGithub Actionsなどの技術スタックで構成されています。設計で最も重視しているのは、ドキュメントを用意し、モジュールを書いておくことで、簡単に書けるようにすることです。言われた通りに書けば、セキュリティ的にも効率的にも良いコードが書ける状態を目指しています。

セキュリティシフトレフトとは、開発初期段階で自動的にセキュリティチェックを入れる手法です。これまでは問題が起こってから直すなど対応が遅く、手戻りが発生することで開発速度が遅くなっていました。自動チェックを早期に導入することで開発速度が上がり、結果として機能提供のスピードが上がり、ユーザーへの信頼性にも貢献すると考えています。

4.ヌーラボのプラットフォームチームのエンジニアとして働く中でのやりがいを教えてください

大きく3つあります。

1つ目は「裁量の大きさ」です。チームとして、社内の課題を見つけ解決策の実行まですることができるのはもちろん、個人の裁量も非常に大きいです。自分が担当するプロジェクトは、チームのレビューは受けますが、基本的には設計から全社展開まで一貫して任せてもらえます。

プラットフォームエンジニアだと、全プロダクトに影響を与えることが可能です。様々なステークホルダーとのコミュニケーションを通じて丁寧に進める必要があり、その点は自身の学びになっています。

2つ目は「経験豊富で情熱的なメンバーの存在」です。互いにリスペクトし、日々刺激を受けながら働ける環境があることは、大きなやりがいです。雑談でDatadogやKubernetesの新しい機能について話していたり、技術への興味や情熱を感じるシーンが多くあります。

そして3つ目は「個人のスキルアップを会社が支援してくれる文化」です。国内外のカンファレンスへの参加や、勉強会など業務時間中の学習が推奨されており、個人の好奇心を満たし、スキルアップしていくことを会社が応援してくれていると感じます。直近だと「KubeCon+CloudNativeCon Japan 2025」に参加できたことがモチベーションアップにつながりました。

5.業務上での課題はありますか?

はい、課題は山積みです。

だからこそ今がプラットフォームエンジニアリングチームとして最も面白いフェーズだと感じています。やりたいことが無限にある中で、裁量が大きく、一人ひとりのアイデアや行動で組織に大きなインパクトを与えられるため、日々退屈することがありません。

具体的な課題としては、技術面だと「プロダクトごとに最適化されてきたプラットフォームの標準化・統一」が最大の挑戦です。各プロダクトの歴史的経緯や技術特性を深く理解し、尊重しながら全体最適を目指す必要があります。これは単に新しいツールを導入するのではなく、各開発チームと丁寧に対話を重ね、納得感を持って移行を進める、非常にクリエイティブな課題です。

組織面では、「Platform Engineeringというプラクティス自体の価値を全社に浸透させていく」ということです。私たちは便利なツールを提供するだけでなく、開発者体験を向上させ、組織全体の生産性を引き上げるためのパートナーです。提供する「ゴールデンパス」の有用性を伝え、それを文化として根付かせる活動には、技術力とは別の難しさとやりがいがあります。

6.ヌーラボのRE部 Platformチームではどのような人たちが働いていますか?

「落ち着いていて技術が好きな人」が多いと感じます 。お子さんがいるメンバーも多く、プライベートを大切にしながら、休日にはインプットやものづくりを楽しむ人が集まっています。

業務は各々が担当領域を持ち自律的に動くスタイルですが 、毎朝の定例ミーティングで気軽に相談できる体制が整っています。プラットフォームエンジニアの特性上、チーム外の人と連携する機会が多いのも特徴です。 

7.仕事をするうえで心がけていることを教えてください

大きく2つあります。

1つ目は「わからないことや困ったことがあればすぐに人に頼る」ことです。私は個人よりもチームや組織全体で成果を出すことが重要だと考えています。チームにとって一番の損失は、誰かが一人で悩んで仕事を止めてしまうこと。だからこそ「チームとして成果を出すために最適な動きは何か」を考え、わからないことや困ったことがあれば、すぐに助けを求めるようにしていますし、質問をすればすぐに誰かが助けてくれます。

2つ目は「徹底的に文章化する」ことです。私たちはタイムゾーンが異なる世界中のメンバーとフルリモートで働いています。同期的なコミュニケーションが取りにくいこともあるため、各メンバーが自律的に動くには、必要な情報に素早くアクセスできることが必須です。そのため、設計の意図や意思決定の経緯といった背景情報も確実に文章として残すようにしています。英語は苦手ですが、AIを活用して頑張っています!

8.ヌーラボという組織で働く中で感じる良さはありますか?

チームだけでなく、会社全体に「個人の自律性を尊重し、信頼してくれる文化」があることです。トップダウンで業務が降ってくるのではなく、「組織全体の生産性を上げるために、あなたならどうしますか?」というスタンスで、大きな裁量を任せてくれます 。

意思決定は、会社の方針に基づきながらも、チームの目的達成のために何をやるかを柔軟に決めることができます。自ら課題を見つけ、提案し、実行することを歓迎する土壌があるため、主体的に働きたい人にとっては最高の環境だと思います。

言われたことをこなすのではなく「自分で考え、自分で組織に影響を与えています」と言えることが、SREとしてのスキルや専門性を加速させていると感じますし、何より楽しく働くことができています。

9.仕事終わりや休日は何をして過ごしていますか?

仕事終わりや休日は、パワーリフティングの練習でジムに行くことが多いです。スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの合計重量を競う競技で、3年ほど前から健康のために始め、1年前からは競技として記録更新を楽しんでいます。会社のSlackには「muscleチャンネル」があり、社内のメンバーとトレーニング動画や食事内容の共有などをしています。

フルリモート・フルフレックスの働き方は、仕事だけでなく、この競技と両立する上で非常に便利だと思っています。特に、ジムの近くに住めること、食事を摂りたいタイミングで摂れることは、大きなメリットです。

また、起業する友人が多いため、副業として何社か開発のお手伝いをしています。趣味でも自宅サーバーをいじったり開発をしたりと、結局休日もPCを触っている時間は長いですね。

10.これからヌーラボでどんなことを実現していきたいですか?

まず実現したいのは「開発者がインフラを意識することなく、ビジネス価値の創造に集中できる環境を構築する」ことです。統一されたInternal Developer Platform/Portalや、SLOに基づいた運用文化を定着させることでこれを達成します。開発者にとっての“最高の仕事場を、私たちの手で作り上げたいと思っています。

その先に見据えているのは、私達のチームが単なる基盤提供者ではなく、「ヌーラボの技術革新を加速させるエンジンになる」ことです。安定性や効率といった「守り」の基盤を固めた上で、新しい技術を誰もが安全かつ迅速に試せる環境を提供し、「攻め」の技術投資を支えるプラットフォームへと進化させていきたいです。

究極的には「スーパーハッカーになりたい!」と思っています。

また個人的な目標としては、パワーリフティングで700kgを達成することです。前回の記録は550kgだったので、あと150kg頑張ります!

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