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事業を前へ進める挑戦と、それを支える開発環境【プリンシパルエンジニア座談会】

「Backlog」「Cacoo」「Nulab Pass」「Nulab Flowbase」といったコラボレーションツールを展開するヌーラボ。数百万人規模に利用されるプロダクト基盤を支えながら、その裏側では、マルチプロダクトの連携や全社的なAIトランスフォーメーション(AIX)といった、新しい変化への取り組みを続けています。

今回は、社内で「プリンシパルエンジニア」に認定されている3名が集まりました。大規模トラフィックから新規プロダクトまでが共存する開発環境の実際や、互いの技術への敬意、ヌーラボで働く面白さについて、率直に語り合ってもらいました。

👥出席者プロフィール

渡邉 祐一(わたなべ ゆういち) 社内通称:nabeさんの写真
開発部
渡邉 祐一(わたなべ ゆういち) 社内通称:nabeさん
キャリアパス
  • 2015年入社。BacklogのGit基盤刷新や高可用性アーキテクチャの構築に取り組み、Git機能の信頼性向上に貢献。インフラコストの最適化を進めたほか、全社横断のAI専門組織「AI Integration Unit」を立ち上げた。Go言語の暗号ライブラリにおける脆弱性発見(CVE-2025-22869)など、社外の技術コミュニティへの貢献も行っている。
二橋 宣友(ふたはし ひさとも) の写真
Reliability Engineering部
二橋 宣友(ふたはし ひさとも)
キャリアパス
  • 2018年入社。「AWS Top Engineer」をはじめとする外部認定を取得。Nulab Passの監査ログなど、プロダクトの信頼性が求められる基盤部分の構築や、FinOpsの実践によるクラウドコスト最適化に取り組んでいる。AWS公式事例への掲載や国内外での登壇を通じて、ヌーラボの技術的な情報発信にも携わっている。
吉岩 祐貴(よしいわ ゆうき) 社内通称:iwaさんの写真
Reliability Engineering部
吉岩 祐貴(よしいわ ゆうき) 社内通称:iwaさん
キャリアパス
  • 2018年入社。監視基盤の統合による信頼性向上や、コンテナ基盤運用の効率化など、仕組みによる課題解決に取り組む。全社的な開発基盤を支える「Platform Engineering」の推進を担う。AI駆動開発の環境整備や開発生産性の可視化など、エンジニアリング組織が自律的に成長するための技術基盤づくりに携わっている。

※記事内では、社内で実際に呼ばれている呼称・ニックネームで表記しています

エンタープライズレベルの基盤と、
スタートアップのような意思決定。
ボトムアップで大きな課題に取り組める環境

─ まず、大規模プロダクトから新規プロダクトまでが共存する、ヌーラボの開発環境の面白さについてどう思いますか?

吉岩:これまでヌーラボは「Backlog専業」というイメージが強かったかもしれませんが、CacooやNulab Pass、直近リリースしたNulab Flowbaseもありますし、新規プロダクトの準備も進めています。僕らの根底には一貫して「すべては仕事をうまく回すために」という考えがあって、そのために業務データを丁寧に蓄積してきました。これはこれからのAI時代において大きな資産になると感じていて、新しいプロダクトのあり方を考えていくのは、意義のあるフェーズだと思います。組織が大きすぎないぶん、現場の声も届きやすい。一定の資金やリソースを持ちながら、スタートアップのように動ける環境はありがたいですね。資金的な基盤があることは、前提としてとても大切だと感じています。

二橋:そうですね。そのバランスは、とても恵まれていると感じます。意思決定のスピードはスタートアップのようでありながら、エンタープライズレベルの基盤がある。僕は元々Typetalk専任のインフラ担当として入社したのですが、そこからBacklogやNulab Pass、さらには全社共通のプラットフォーム基盤まで、少しずつ仕事の範囲を広げさせてもらいました。

吉岩: 領域を横断して色々できるのは、楽しいですよね。

二橋:本当に楽しいですね。コードを書くだけでなく、外部のコミュニティに関わったり技術情報を集めたりすることも、会社が「組織に還元される大事な仕事」として認めてくれます。新しい刺激を受けながら成長させてもらえる環境だと感じています。nabeさんはどうですか?

渡邉:僕もヌーラボはいい会社だと思っています。自由度が高いのは間違いないですね。上から渡されたタスクをこなすだけの大規模開発とは違って、ボトムアップで大きな課題に取り組める。一人のプロフェッショナルとして「どうすれば会社が良くなるのか」を率直に発言できて、それがきちんと受け止められる。そこがありがたいところだと思います。

─ なるほど。肩書きに関係なく、一人のプロとして会社に向き合っているということですね。

渡邉: そうですね。そういう姿勢を大切にしています。

吉岩:一人ひとりがプロとして事業の成果や課題に向き合っているからこそ、出張やカンファレンスへの参加はもちろん、外での副業も含めて、会社が「事業と個人の成長に繋がる挑戦」を全力で後押ししてくれます。このカルチャーは、エンジニアとして本当に動きやすいなと感じます。

億単位のコスト最適化から基盤刷新まで。
互いの技術をどう見ているか

─ では続いて、それぞれのこれまでの実績や、エンジニアとしての強みについて、お互いにどう見ているか教えてください。

吉岩:nabeさんは一貫して「課題を技術の力で解く」という姿勢を持ち続けているのが、本当にすごいと思います。BacklogのGit基盤刷新や高可用性アーキテクチャの構築、インフラコストの最適化など、本質的な技術課題を見極めて着実に前進させる力がある。暗号ライブラリの脆弱性発見のように社外への貢献も含めて、どんな領域にも臆せず取り組んでいくところを、いつも尊敬しています。

渡邉:褒めていただくと照れますね。ただ、自分の得意な範囲の外にある領域にも臆せず手を伸ばす、挑戦を先送りしない、ということは意識しています。手を伸ばすこと自体は誰の許可も要りませんし、コストもかかりませんから。
……では、次は二橋さんの話をしましょう。二橋さんは、大規模なソリューションを組織に丁寧に浸透させ、前へ進めていくプロセスが本当に丁寧だと感じます。社内外を巻き込むコミュニケーションがとても上手で、いつも助けられています。FinOpsの実践によるクラウドコストの最適化や、Nulab Passの監査ログ基盤の構築をやり遂げ、「AWS Top Engineer」などの外部認定を通じて会社の技術的な発信にも貢献してくれている。組織にとって本当に心強い存在です。

二橋:ありがとうございます。組織に活きるもの、特にチームの仕事を大きく変えるような技術には、情熱を持って取り組むようにしています。その僕から見て、iwaさんは知識の幅と深さで物事を前に進めていくのが強みだと思います。元々はフロントエンドエンジニアとして入社したのに、気づけばインフラを経て全社のプラットフォームを担っている。

渡邉:iwaさんは、本当に技術が好きなんだなといつも感じます。深い知識で力強くプロジェクトを前に進めてくれますし、Slackの返信もとても早い。いつ休んでいるんだろうと思うくらい、会社の課題を考え続けてくれていて、本当に心強い存在です。

二橋:そうですね。監視基盤の統合による信頼性向上や、コンテナ基盤運用の効率化といった成果を、個人の力ではなく「仕組み」で解決してくれました。プラットフォームを組織にどう合わせていくか、という対話を大事にしてくれるので、とても安心感があります。

吉岩:つい、全部まとめて解決したくなってしまうんですよね。「個人の力ではなく仕組みで解決する」というのは、常に意識しています。組織に対して、新しい技術的な選択肢を示し続けられる存在でありたいと思っています。

─ お互いの強みを、深く尊重し合っているのが伝わってきます。先々週、お三方が参加されたニューヨークでのDatadogの年次カンファレンス「DASH 2026」はいかがでしたか?

渡邉:はい。私は現地で「When WAFs Aren’t Enough: How We Secured Our LLM-Powered Agent with Datadog AI Guard」というセッションで登壇しました。単に「ツールを使ってみた」という事例紹介ではなく、AIエージェントのセキュリティの本質はどこにあるのか、という点をお話ししました。攻撃対象が「ユーザー入力」から「AI自身が生成・実行するもの」へと移っていく難しさにBacklogの開発でぶつかり、Vercel AI SDK向けにDatadog AI Guardと連携するセキュリティミドルウェアを開発して解決した、という内容です。前日は緊張で眠れないほどでしたが、海外の市場の大きさを肌で感じ、海外に挑戦し続けることの大切さを、あらためて実感しました。

二橋:この1年、3人でDatadogを使い込んで組織に活かしてきたので、それを評価していただいてニューヨークの舞台に立てたのは、素直に嬉しかったです。海外の大きなイベントに行くと、自分の未熟さに気づかされると同時に、「自分たちのやってきたことも、間違ってはいなかったんだな」と思える部分もありました。技術面でも人としても、外の世界に触れて得られたものが多かったです。英語をもっと頑張らないと、という気持ちにもなりました。

吉岩:現地のエキスポブースで、海外のプロダクトマネージャーの方々と技術的な議論ができたのは、本当に良い経験でした。早口の英語に必死で食らいつきながら、なんとか議論を交わすことができました。エンジニアリングを軸にボトムアップで意思決定していく海外の組織文化に触れて、ヌーラボが目指すべき方向性が、より具体的に見えてきました。

大規模プロダクトの進化とAIXの現在地。
専門性の枠を超えて「自律的に越境する」エンジニアリングの未来

─ では、未来の話に移ります。会社として「一人ひとりがプロとして自律的に越境していく」というカルチャーがあり、さまざまな変化の波もある中で、皆さんは今後どんなことに挑戦していきたいですか?

二橋:「いかに速く、少人数で開発を進められるか」という流れが確実に進む中で、エンジニアとして「一人の人間のキャパシティを超えた働き方をどう実現するか」が、直近のテーマです。AIを活用して個人の生産性を高めたうえで、AIにはできない「人間ならではの組織の価値」をどう発揮していくか。考えれば考えるほど難しく、日々頭を悩ませています。

吉岩:同感です。AIのおかげで人間の仕事が楽になると思いきや、過渡期の今はむしろ人間が忙しくなっている面もありますよね。人間の負担を増やさずに、いかにAI自身に仕事をしてもらうか。ただ、人間の思考力やドメイン知識をすべてAIに委ねるのは、まだ難しい。だからこそ、Backlogなどに蓄積された「企業のコンテキスト(文脈)」をAIに正しく渡し、人間が適切に意思決定できる土台を整えるフレームワークづくりが必要だと考えています。それをプラットフォームとして裏側から支え、開発のデリバリーを着実に加速させていきたいです。

渡邉:そうですね。今後はAIのような共通の重要機能をプロダクト横断で支えていかないと、取り残されてしまうという危機感があります。だからこそ、新しい技術に飛び込み、それをプロダクトを横断して展開していく動きが必要になりますし、それができるのがヌーラボの強みだと思っています。

─ まさに、ヌーラボが描いている「世界の仕事を人とAIで前に進めるためのナレッジプラットフォーム」というビジョンそのものですね。

吉岩:そうですね。課題を設定し、舵取りをするのは、最後はやはり人間です。だからこそ、私たちが目指している世界観は本質的なものだと思いますし、その方向性に確信を持っています。

肩書きにとらわれず、
技術の力で目の前の課題に向き合う仲間へ

─ 最後に、この記事を読んで「この環境で、一緒にチャレンジしたい」と思ってくれる未来の仲間へ、メッセージをお願いします。

渡邉:ヌーラボは、一つの会社の中でフェーズの異なるプロダクトに携われて、キャリアの幅が広がる、エンジニアにとって価値のある環境だと思います。その中で一緒に働きたいのは、技術を技術のままで終わらせず、「事業として今何が課題なのか」に置き換えて考えられる人です。自分の担当範囲や肩書きにとらわれず、自ら動いて課題を一つずつ解決していける方と働けるのを、楽しみにしています。

二橋:「自分の強みや得意なこと」を仕事に活かせる方は、きっと活躍できると思います。変化の多い職場でもあるので、変化を楽しめる方であれば、長く情熱を持って取り組み続けられる環境だと思います。

吉岩:プラットフォームエンジニアリングの観点で言うと、ヌーラボは今がとても面白いフェーズだと思います。プロダクトを継続的に生み出していくために、技術でどう組織を変え、組織間の壁をなくしていくか。AI戦略も含めて、こうした基盤づくりに関心のある方、一言で言えば「技術の力で組織を変えたい方」にとっては、やりがいのある職場だと思います。

おわりに

大規模プロダクトとしての安定した信頼性を守りながら、スタートアップのようなスピード感で「AIX」と「自律的な越境」に取り組み続けるヌーラボのエンジニア組織。プリンシパルエンジニアである3人の率直な対話の奥には、互いの専門性への深い敬意と、技術で事業を前進させようとする確かなプロ意識が感じられました。

これまで積み重ねてきたアセットを活かし、「人とAIが共存する未来のナレッジプラットフォーム」を自分たちの手で形にしていく。ヌーラボは今、そうした手応えのあるフェーズを迎えています。

この環境を活かし、技術の力で組織と事業を前に進めていくエンジニアたちの挑戦は、これからも続きます。ヌーラボがこれから歩んでいくステージを、楽しみにしていただければ幸いです😊

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